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半径5メートル 第1話 おでんおじさん 感想

ようやく触手が反応したドラマがあった。期待のドラマ10枠。過去見たドラマで芳根京子がガッツリ出演している作品を思い浮かべられなかった。調べてみるとアッと思ったのは「探偵の探偵」 回想にしか出てこない主人公の殺された妹役だった。「小さな巨人」「高嶺の花」等も見ていたけれど残念ながらプロフィールを見なければ思い出せなかった。決して悪い印象はないけれど強烈なインパクトもない。ただ今回のドラマのおおまかな内容と相方になる永作博美との相性は凄く良さそうな気がしている。

 

さっそくの第1話。題材が少し前に話題になった「母親ならポテトサラダくらい作ったらどうだ」と言われていたというSNSの投稿をアレンジしておでんにしたものだった。まんまやっちゃうと問題あるから変えたのだろうと思われた。即座におでんの手作りってあるのかと疑問。そしたらこんにゃく芋をすりおろし始めたのでヤラれてしまった。起きた出来事を真っすぐ見ることも、裏側を見抜くこともなかなかに難しい。

 

ポテサラ投稿が話題になったときほとんどの人が男性の発言に嫌悪感を覚えただろう。逆にごく少数の男性への共感者もいたと思う。どっちが良い悪いを言い合って発散して話題から消えていった。赤の他人の台所に口を出す輩が悪かったのか、手抜きな女性がいけなかったのか。今となってはどうでもよくなってしまっている。本当は見えていない大きな問題が隠れていたのに。それを炙り出す行程は既に答えを知っている者の行動に見えた。

 

このドラマで感じたことは人は想像だけでは見落とすということ。ジェンダー差別は擦り込みであり、素行のいい統制の取れた日本人こそが陥りやすい問題。おでんは母親が手作りするものという思い込みは、出来合いの惣菜は悪という考えに直結し、父親が作るという選択肢を無意識に排除してしまっている。考えて分かれば一番いい。でも生まれてから五十・六十代になるまで作ってもらったものだけを食べてきた人間に気づけるかと言われれば難しいと言わざるを得ない。おでんは父親が作る家庭に育ったとか、実際に作った経験があるとかでない限り分かることはないだろう。

 

おでんの手作りを掘り下げたところも面白かった。練り物やこんにゃくを手作りして時間を計って同じ記事に載せる。むしろ最大の盲点。差別を数値化しなければ説得力がない。そして総菜が手抜きではなく、効率化の手間抜きである証明にもなる。旦那が気にしていた添加物やアレルギーの問題も無視は出来ないが、まずはお互いの気持ちを知らなければいけないと思う。知らなければ息子も知らないまま次の世代に引き継いでいってしまうだけだ。

 

芳根氏の主役演技も永作氏の曲者演技も、そして二折メンバーも期待大。しかし久しぶりに見た塩ザイル毎熊氏の行動は必要か?キャラ設定もいまいち読めないw

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