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半径5メートル 第3話 私はこれを捨てられません 感想

半径5メートルという絶妙なタイトルに合った出来事が毎回のテーマになっている。さらには表向きの話題性の裏を描いているところがうまい。それでももう一歩期待を超えて来ない感じはなんだろうか。絶妙を突きすぎてリアリティを下げている?毎熊氏がウザい?その気になるところは総括にまわすとして、まだ自分的には傑作に入りきらないでいる。

 

今回のテーマはミニマリストや物を捨てられない人についてと見せかけてそこは深堀されていなかった。私自身は物を捨てられない側の人間なのでその描かれ方に興味があったのだけど肩透かしな感じだった。だだこのドラマの良いところは「じゃあやってみよう」があるところ。無人島設定のアパートでモノがない生活を実践してみたり、モノがあふれた作家の家に行ってみたりと体感からの学びを忘れない。最終的にはモノの価値は聞いてみなければ分からない、捨てる理由もまた然りといった感じだろうか。

 

私が物を捨てられないのは後から価値が出てくると思っているから。本やCDなどは良いと分かっているものがストックされていく快感がある。今はデータで残せるからと現物の整理はあまりせずにため込んでいたら、ある日何千曲かのデータがスマホの更新ミスで飛んでしまった。あまりないダウンロードした曲は復活したがほとんどのCDから取り込んだ曲は復活できなかった。やはり物は捨てられない。

 

最近コロナ禍にもかかわらずなのか、コロナ禍だからなのかお店が閉まり改装や解体が目に付く。しばらくするとそこに何が建っていたのか思い出せなくなってしまう。グーグルマップのストリートビューが2012年くらいまでさかのぼれるので確認したりする。インターネットが普及する以前になくなってしまった建物などは見つからないものが多い。あのとき写真に残しておけばなぁと思うことが多々ある。でも存在しているときはそう思えない。数日前に目にしたSNSの記事で国会図書館の書物の価値は100年後の人に委ねられるという。何の変哲もない雑誌もその時の世相を反映した貴重な資料に変わるということ。捨てられない言い訳をすれば、時が価値を変えるから。

 

とは言ってもビデオテープやカセットテープ、紙の本で育った者としてもほぼ置き場所を気にしなくてもよくなった今の時代はうれしいし、片付いた生活にも憧れる。置いておきたいモノはハードではなくソフトだから、究極は見た目ミニマリストが一番いい。と手つかずのガンプラの箱を見ながら思う。