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監察医 朝顔 S2 感想④ じいちゃんの気持ち

桑原君は死んでいない。いつもの監察医朝顔のやり口だw

 

しかし朝顔に次々と降りかかる家族内の不幸は一気にやってきた。シーズン2初回の不吉な予告が何を指すのかは具体的には分からなかったが、ここにきてこれまで最も伏線の多かった父の認知症が現実味を帯びてきた。祖父の病状も悪化していく中で、新幹線の乗り方を聞くという初の伏線から突発的な娘の行方不明。夫に何かあれば家族の全方向から朝顔にのしかかったところだったが、唯一頼れる旦那が残っている。

 

これから各問題をどう解決していくのか。前シーズンに比べて過酷になってきた朝顔だが特に気になるところが2つある。1つは母のものかもしれない歯の鑑定の件。自分の死期を悟り考えが変わった祖父。我が子であるかどうか知らないままは死ぬことはできない。託された朝顔は結果がどちらでも祖父への精神的ダメージが大きいと考え鑑定できずにいる。「朝顔にじいちゃんの気持ちはわからないよ。」という祖父の気持ちを尊重してしまうと死期を早めてしまう可能性がある。「娘」と「母」。悲しい想像だけど娘のものなら是が非でも鑑定を頼むかもしれない。じいちゃんの願いを聞いてほしいと思ってしまう。

 

もう1つは大竹しのぶが演じる美幸。亡き母の友人という立場で朝顔一家を助けてくれている。しかしこれまであった父の物忘れなどの変化にはなぜか危機感をみせない。せっかくそばに現れた同士といえる平に、たとえ危惧が当たっていたとしてもいなくなってほしくないという気持ちなのだろうか。ある意味ありがたい話だが、本当に介護が必要になったときに共倒れになる危険性もあり最善策ではない。寂しさから正常な判断が出来ていないのなら朝顔は早めに父に言わなければならない。物忘れよりも感情をコントロール出来なくなってきているところが既に後手に回ってしまっているのだが。

 

2クールドラマの強みで上記2つの朝顔と美幸の葛藤はじっくりと描かれている。特に美幸の感情はこうなのだろうと視聴者に思わせながらも、どこか気持ち悪さがあり法医ドラマでありながらむしろこちらでミステリアスを感じさせられている。でもそれが法医と震災を扱ったドラマというだけにとどまらない奥行きを生んでいる。あと2ヶ月の描き方によっては、驚きと感動のシーズン1を超えるかもしれない。