Quinoss.com

物語の感想やニュースの意見等々を更新しています

麒麟がくる 第十一・十二回 感想 信秀がいく

44回の予定のうち早くも12回が終わった。信秀が亡くなり信長の時代が始まる。物語の4分の1を英傑前史に使うとは予想外だった。美濃である意味安定した生活を送っていた光秀もいよいよ激動の時代に入る。コロナ蔓延の影響で撮影がストップしているらしいが短縮や中止は何としても回避してほしいところ。延期でもいいので満足いく形で描き切ってほしい。

 

まずは十一話、織田今川仲裁ミッション。道三から織田への援軍は出さないという重い伝達を託され光秀は織田へ。意外にも信長は理解を示すも、光秀の人脈に目を付けられ将軍様へ織田今川仲裁の仲立ちをお願いしてくるよう命じられる。京都へ向かう光秀にまたもや奇跡到来。京都で起きた三好長慶の内紛から逃れるため将軍とともに落ち延びていた細川藤孝にバッタリ出会う。そこから朽木にいる将軍様に直談判。過去の光秀の言葉に感銘を受けていた将軍はあっさりOK。今川撤退。

 

じっくり物語を進めている割にはミッションを光秀は簡単にこなしていく。話の流れは行ったり来たりしないので非常に分かりやすいのだが、毎回光秀が強運すぎて日本の歴史の重大局面は天文学的な数値の奇跡で起こったのだと思わされる。幽斎が雨宿りの場所にいなければ織田家は滅亡していたということだ。こういったことを言い始めたらキリがないし史実もまた奇跡の積み重ねだということも否めない。それにしてもこの「麒麟がくる」の偶然感が気になる。物語の面白さを演出する一つに伏線を混ぜた必然感というものがあると思う。将軍との接見へのプロセスもそうだがミッションに至るまでの話は丁寧なのに、ミッションそのものは簡略的なものが多い。一応将軍が過去に光秀の言葉を直接耳にしていたという伏線があったとはいえ目通りのハードルが低い。シナリオには常に光秀のミッション攻略のアイデアを何かしら入れていただきたい。

 

そして十二話、嫁取りミッション。興味がないと思いきやいきなり子供のころのプロポーズまで持ち出して「嫁になりませぬか?」と来た。緩急つけて飽きさせないと言えば聞こえがいいがビックリした。明智秀満の登場も唐突でなんとなく調和しない。今までどこにおられたと言いたくなる。十一話のこともそうだが場当たり感がちょいちょいあるのが気になる本大河。来週の予告でいよいよ秀吉が登場しそうなので、そこはなんとか期待を裏切ってほしい。

 

ちょっと驚いたのは帰蝶が末期の信秀に対して信長への本音を聞き出したがったところ。さらに不十分と思いきや信長に、信秀が後継者は信長であることを強調していたと嘘を言ったこと。そして嬉しそうに真に受ける信長。父や母の気持ち、農民の気持ちなど常に相手を考えた行動の割に、人の本音を見抜く力が抜けている設定?そこに付け込む帰蝶。信長のためとはいえ侍女を下げた時点で信秀が信行よりの発言をした場合や、既に話せなくなってしまった場合を想定した策士。戦国の流れは帰蝶の意思も影響していくようだ。

 

来週でついに三英傑がそろい信長の時代が始まる。日本をまとめた3人の意識に光秀の思いもどう影響していくのか、どう描かれるのか楽しみだ。