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麒麟がくる 第八回 感想 信長がきた

遂に対面した二人。光秀は変装に力を入れたわりには怪しさ満載。信長が常人離れのキレ者設定なら気づかれてもおかしくない。さすがに違和感ありの表情でその場の進展はなかった。にしてもこれまでの大河ではお目にかかれなかったかなり庶民的な信長。それでいて生活力というか体力的にも社交性も基礎能力はかなり高そう。武将、大名としての適性まではまだ分からないが、よくあるステレオタイプな人の意見は聞かず傲慢な信長とは違うようだ。

 

得てして物語の主人公は驚きの人脈になりがちだが、謎とされた信長の家臣になる前の時点で光秀を取り巻くつながりは広い。既に時の将軍に認知され、その側近とは信頼関係が築かれつつある。その時代の武具を凌駕するであろう鉄砲に関わるつながりもある。ただこの時点はまだまだほとんどフィクションで、帰蝶や義龍と幼馴染設定も強引な気はする。大河ドラマにおける史実とのリンク率はある程度の高さは望まれるが「麒麟がくる」はどこかファンタジーな雰囲気が漂う。衣装のせいもあるだろうが。

 

史実も事実とは限らないのでむしろ新たな角度でとらえた物語の方が新鮮さもあり面白くはなると思う。隆慶一郎の小説で有名な「影武者徳川家康」などは関ヶ原後の家康の変化を史実と照らし合わせて導き出した物語である。全くの思い付きだけで作られた話ではない。強引な設定も、後の史実に伏線回収になるような結びつきがあればむしろ驚きや面白さに変わる。「麒麟がくる」の既にこれだけ広がった光秀の人脈は後々どう回収されていくのだろうか。

 

桶狭間や義龍の謀反が近づいてきていよいよ英傑前史が終わる。予告では武将としての信長が見られそうだ。そしてもう1つ最後の最後で菊丸が半蔵かのような会話を。ただ命じている人物が徳川広忠ではない?