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星野源 / アイデア

 

もちろん朝ドラ「半分、青い。」の流れでフル解禁を楽しみにしていた。これまでもドラマで聞いていた「恋」や「Family Song」も良い曲だなと思っていたが、星野源の楽曲は買って聞いたことはなかった。あまりにも万能な彼から、変な先入観で本当に心に響くような曲は生まれるのかと思っていた。聴き心地は良いBGMのイメージ。1人では聴かない音楽。上から発言申し訳ない。

 

 「アイデア」も曲調は朝ドラに似合わず軽快でPOP。いつもの星野源といった印象だった。歌詞も主人公を思わせるようなポジティブさで朝から聞いても問題なし。毎日聴かされても飽きがこない良曲だ。星野源が凄いと思うところは日本人の聴きやすさを残しながら、キャッチーさと新しさを両立していることだと思う。例えばR&Bやヒップホップなど元来なかった音楽に歌詞を乗せた場合、良い曲でもおじさんには言葉の意味は頭に残らない。歌詞を追っているヒマがない(笑)。星野源の楽曲は真新しいのに歌詞を追える。AKB系もそんな感じ。

※どうでもよい部分だが1点これに反している部分がある。Aメロ後半の「鶏の歌声も 線路 風の話し声も」意味を続けたり、聴きやすくするなら「線路」の部分は「駅も」とかの方が良い気がする。最初「線路風の」がよく分からなかった。線路の方がカッコよいけど。

 

公開された2番以降で、私の中の星野源が1人でも聴ける音楽に昇格した(上から発言)。ネットがある世の中ではネタバレ必至なのに、非公開を貫いていた効果は絶大だった。1番との対比や、陰にも目を向けた歌詞・メロディはもちろん良かった。私的には隠し通された最大の効果は、ドラマの主人公の裏の心情のように聴けたことだ。主人公鈴愛は一見思ったことはすぐ口にするキャラ設定だが、それでも表に出していない秘めた気持ちを聞いているようだった。吐き出せないネガティブな部分も舌を出して乗り越えていく。悲しみや辛さも表現することで、より強いポジティブソングになっている。完全体のアイデアは屈指の名曲ではなかろうか。

 

「涙零れる音は咲いた花が弾く雨音 哀しみに青空を」

「踏まれ潰れた花のように にこやかに中指を」

「雨の音で歌を歌おう すべて越えて響け」

 

良いね。