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監察医 朝顔 感想⑩ 特別編

ブログではあまり辛辣な感想は記していない。そもそも2~3話観て面白そうなドラマのその後のリアルタイムな感想か、過去に見て面白かった作品の批評しかしていないので全体的には良かったというものばかりである。でもこの特別編は頂けなかった。

 

正直、良作に水を差した印象。エピソードゼロに新事件、震災での茶子先生のことなどあおりにあおってわずかな新録のみ。中途半端に加えただけのほぼ総集編だった。新しく録った部分だけブルーレイの特典とかの方が売り上げに貢献したのではないだろうか。前のブログで総評は最後に記すと書いてしまったため、これまでのドラマの感想で最も多い⑩回目だけど新たに書くことはあまりない。11話完結での総評は以下です。

 

ひとことで言えば「江~姫たちの戦国~アナザーエピソード 父上が生きていたら」

あまり良い評判を聞かなかった江だけど自分的には悪くはなかった。史実とは異なるらしいが赤子の江の前から燃え盛る小谷城に消える長政や、勝家が馬番のために江を本気で叱ったところなど印象に残っている場面は多い。そんな浅井長政役の時任三郎と娘江役の上野樹里が生きている間に再開し一緒に生活している場面というだけで素晴らしいのだw

冗談は置いといても1、2話のシナリオや丁寧さはこれまで見たことがある月9とは一線を画すものだった。あのクオリティでずっとはいけなかったが、短編の法医パートと長編の父娘パートをうまくつなげたドラマだったと思う。遺体や事件現場などの描写はほとんどなく、リアリティに欠ける部分は視聴者の想像力に委ねるスタイルも悪くはなかったと思う。取り残された遺族の葛藤や苦しさは父、夫、娘の立場から描かれていたし、遺体と出会えない苦しさというものは確信的な死よりも辛いのではないかと思った。あきらめたくてもあきらめられない。特に柄本明の演技には目を見張るものがあった。娘を理不尽な災害で失った父親の感情。スタッフが視聴者の評価を得たと思ったのか特別編の終わりに朝顔の学生への講義の場面を流していたが、あれは柄本明の理屈で抑えられない感情の演技が同じドラマに存在するからこそ価値のある場面である。誰もが朝顔のように乗り越えられるものではないことを忘れてはならない。

 

「監察医朝顔」自分的には「殿堂入り次点」といった感じ。茶子先生の万木親子に救われたという部分を描いてほしかった。完璧に見える人間も実はそう見える理由があるというエピソードがあれば、唯一スーパーマン的な彼女も一人の人間、一人の被害者だということで腑に落ちることが出来たと思う。番外編エピソードチャコを加えればマイ殿堂入りドラマとして補完出来たはずだ。