Quinoss.com

物語の感想やニュースの意見等々を更新しています

キングオブコント2019 / 空気階段 どぶろっく

リアルタイムで見ていた娘に今年は面白かったか聞いたら何やら歯切れが悪かった。めっちゃ面白かったけど・・・。今年は決勝進出者のメンツが発表されていないため誰が出てくるかも楽しみだったのだが、娘がお目当ての芸人が出なかったのだろうと思っていた。録画していたのを見始めたら余計な前置きがほとんどなく、すぐに1番目のコンビが紹介されコントが始まった。

 

いきなり知らない「うるとらブギーズ」なる2人組が不穏な出だしで会話をしだした。マイクの不具合かと思ったら一方が相手と同じ言葉を発してしまうという設定。これは面白いのかと思って見ていたら、架空の外野が言葉をかけて同じ言葉をしゃべらせて遊びだすところでレベル高しと感じた。1組目から知らないコンビがここまで面白かったことはあっただろうか。審査員も困惑気味だった。

 

そこから通して観たのだがほぼすべて面白かった。過去のお笑い賞レースで全部面白かったというのは記憶にない。でもレベルが高かったかというと90点で横一線の中「どぶろっく」だけが100点という印象。最近の若手のコントはストーリー性や演技力で上手いと思わせるものが多い。下馬評ナンバー1だった「かが屋」は短編ドラマを観ているようだったが、いつも以上に「笑い」の要素は少なかった。なかなかコントで畳みかけるような数の笑いというのは難しいと思う。それでも「バイきんぐ」のように爆笑級のものを多く入れこむことに成功したコンビもいる。

 

正直知らなかったコンビを除けば「どぶろっく」が一番期待していなかった。そこまで下ネタがハマるとは思わなかった。長丁場だったので横目で見ながら飲み物を取りにテレビの前から離れた。そして口につけた瞬間に「大きなイチモツをください」もう少しで漫画のように吹き出すところだった。今回生放送だったのでネタの事前確認はあったと思うのだが、ファミリー層も観るゴールデンタイムにイチモツはギリギリアウトだろうw どぶろっくの歌や演技力はもちろん凄い。今回いつもの歌ネタからミュージカルコントで参戦し相変わらずの下ネタだったところも流石だ。でも審査員がおっさんだけなので下ネタで成功したという単純さではないと思う。お涙頂戴設定からの突然の下ネタへの落差、「イチモツ」という絶妙?なワードチョイス、そして圧倒的期待感からの天丼。結局イチモツに尽きるのだが、押し通した彼らの勇気が結果になった。

 

近年の上手いコント、シュール?な設定、独自の視点等こんなやり方があったのかという驚きから生まれるお笑いも大好きなのだが、キングオブコント2019ではそれらを凌駕して単純で分かりやすい下ネタが勝者だったことがどこかお笑いの奥深さを感じた。そんな中でもやはり新しい笑いへの餓えも満たしたくはなる。初見で良かったのは「空気階段」最も自分の中での得点との乖離が大きかった。どぶろっくの優勝は揺るがないが次点かそれに近いくらい面白かった。ボケとツッコミのキャラのギャップ。瓜二つの人間が3人いる設定を上手く使って笑いがバランスよく散りばめられていた。正直記録用紙に迷路描いてる時点で自分的にはつかまれてはいたのだけど。それにしてもGAGはかわいそうだった。これも自分はジャルジャルより面白かったと思ったのだが、生放送の制約か急な4組決戦には出来ず涙を飲んでいた。

 

 爆発的な笑いの数は物足りなかったけれど、「面白くない」ものを観させられているストレス値は過去のどんな大会よりも少なかった。順位に異論がないとは言わないが、トップに納得している部分も満足度の要因の1つ。いろんなかたちの笑いの戦いは最高のエンターテイメントだとあらためて思わされた。