Quinoss.com

物語の感想やニュースの意見等々を更新しています

宮島未奈 成瀬は信じた道をいく 感想

今年は未だに大河の総括もM-1の感想も記していない。やる気が起きないという感じではなく、むしろ何かいつもの年よりも面白くなるような気がして既に昨年を振り返れないという感覚が近い。その第一弾がまさに「成瀬は信じた道をいく」 かつてこれほど続編の発売日が待ち遠しかった小説があっただろうか。しかし発売日が1日遅い地域に加え大雪の影響でトータル3日遅れでの入手となりフラストレーションの反動であっという間に読み終えてしまった。昨日は前作を読み直し、本日あっという間に読了。

 

続編はクオリティが下がる覚悟はあった。前作の衝撃の1話目と比較しまうのは流石に無理があるとは思いつつ、今作の1話目はちょっとマイルドかなと感じながら読み進めた。それはアイドリングに過ぎなかった。いやアイドリングはみらいちゃんに失礼か。何はともあれ今回の成瀬の行動も、各話の連携具合も見事としか言いようがなかった。続編にありがちな残念感は一切なく、いい意味で成瀬は読者を裏切らずシナリオは想像を裏切る完璧さだった。

 

遂に未来の話に突入してしまった。このブログを読んでおられる方は皆無だと思うが、北陸新幹線敦賀駅や武将スタンプラリーなんて誰ドクな話なん?わしドクじゃねーか!とひとりツッコミしたくなるくらいの私用成瀬作品になっていてびっくりした。2025年、2026年の成瀬は私の生活圏内ともろ被り。金沢は最近行ってないけど、敦賀も大津も関ヶ原も完全にテリトリー。絶対成瀬とすれ違ってるw

 

今回は成瀬視点の話はなかった。でも前作以上に彼女の輪郭が鮮明になり、胸の内も知れた気がする。期待していた彼女を形成した生い立ちや将来の目的も少し描かれていた。前作の最終話で意外と人間臭く動揺する成瀬が見られたが、今回も島崎がらみになると少し弱いところがほっとする。孤高の天才成瀬もツッコミの天才島崎も、お互いが相思相愛であることを認識出来ないところだけは凡才である。