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広がる女性のひきこもり “孤立”をどう防ぐのか クローズアップ現代を見て

気になっていたので番組を見てみた。女性のひきこもりが増えているという内容で、その要因の分析というよりも1例を紹介するような構成だった。正直少し波風が立つかなと感じた。視聴後SNS等を見てみるとさまざまな意見があった。

 

そもそも30分の番組で深堀は出来ないと思うし、あの内容が精一杯だと思う。原因も状況も人によってさまざま。もっと苦しい状況の人からすればこれは「ひきこもり」ではないと感じるのも分かる。

 

意見の中には男性(夫)が悪いように映しているが男だってひきこもりはいる、そもそも男の割合の方が高いというようなものもあったが、今回は女性のひきこもりが増えているというテーマなのでそれはまた別の問題として議論すべきだろう。

 

中高年のひきこもりの統計は最近なので、主婦層や年配の女性のひきこもりが昔に比べて増えているのか本当のところは分からない。現在を調べてみたら予想より割合が高かったということなのだろう。それでもまだ男性の数が上ならば、問題解決へは全体か男性寄りにした方が効率が良いはず。それでも女性にスポットを当てた意味は何か。

 

番組の例だけ見れば改善の余地は十分にありそうだった。深刻な状況とは適応障害になり医療支援が必要な場合だと思う。それに比べれば彼女たちはまだ脱出の糸口はあるように見えた。なにより改善の意志もあるしインタビューに答えられる力もある。コミュニケーション能力はあるのだ。ではなぜ彼女たちはひきこもってしまったのか。

 

ひきこもりの定義も要因も改善策も人によって異なる。これはひきこもりではないとか、これは甘えだとか言って1人1人と向き合っていない名ばかりの支援こそが、一向に改善せずひきこもり人口を増やしている原因ではないかと思う。本当はそうではないのにと思っている当事者に何を言っても響かない。

 

今回登場した彼女たちはもしかしたら一昔前ならひきこもりになっていなかったかもしれない。昭和的な考えの夫に仕事を辞めさせられ完璧な家事育児を求められる。現代なら悲しい話。昔ならおそらく同士がまわりにいたと思う。相談や愚痴を言い合えるコミュニティが自然と出来てみんな一緒だと納得出来たり、仕事復帰の人脈も作れたかもしれない。

 

前にも書いたけれど良いことの裏には悪いことが必ずある。女性活躍社会と叫ばれる中で、それこそが幸せという価値観の押し付けと孤立が生まれる。育児に専念した結果、社会的なキャリアが積めないというのは仕方がないことだし、それが悪いことだと思うことが本当はおかしい。利益を生み出し成り立っている民間企業にとっては、就労差別を表向きは行わないだけでキャリアがある即戦力が欲しいのが本音だ。

 

社会復帰をする中で大切なのは言い方は悪いがあきらめが必要だと思う。もっと打算的な生き方が出来る人なら、結婚や子供を産む前に資格を取ったり人脈を作ったりの努力をしている。夫に言われたからリストラされたからキャリアを積めなかったといのは言い訳に過ぎない。ずっと働いてきた女性たちと同じ立場で生きられるというのは、酷な言い方をすれば才能かそれまでの努力次第だと思う。

 

家にいたい仕事が辛いと思いながら歯を食いしばり、別の何かをあきらめて戦ってきた人たちと同じ土俵で向き合えることは出来ない。プライドを捨てて1からキャリアを積むつもりで社会と対峙する気持ちを持てるかどうか。今うらやましく見える活躍している女性たちは、ずっとまえに苦しい思いを背負い耐えてきたんだと理解できるか。そうすれば今目の前にある仕事に対する感じ方も向き合い方も変わると思う。

 

キャリアを積めなかったことを悔やむのではなく、リストラされた自分を責めるのではなく。キャリアがない能力がないと思い込んでいる人を求める場所は必ずある。狭めている見えなくなっている視野の原因は自分。やりたくないと思っていた仕事も案外面白いかもしれないから。転職を繰り返して初めて10年以上続けている仕事をしている私の思い。特に死んでも嫌だった営業の仕事ほど、その後の仕事や生活に活かされているし、何より感謝が出来るようになった。合わないならやめればいい。見つかるまで。そりゃあ精神力は必要だけど日本なら生きてはいけるから。