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どうする家康 第10回 感想 きびんな側室

側室のクローズアップは良かったと思う。視聴者に時代背景の違いを認識させつつ、現代のジェンダー問題にも切り込む。面白おかしく描いてはいたがかなり挑戦的なシナリオだったと思う。ガチガチの年配の大河ファンは振り落とされそうな回だった。

 

長丁場の大河とはいえすべてを描き切るには1年50話程度では少ない。ましてや長生きの家康の人生には避けて通れないイベントが多い。戦国大河ではどうしても側室のことは不自然に端折られる傾向がある。この時代は同盟にともなう政略結婚によって血の契約を交わすことは常套手段だった。子供が多ければその機会を増やせる。人質から始まった家康の話だからこそ側室の話は避けるべきではない。戦国大河においてはウケのいい戦いの場面だけではなく、内政の話も掘り下げることで時代や大名同士の関係性を深く理解することが出来る。

 

最初の側室である西郡の局については、おそらく数多の側室同様多くの資料は残っていないと思う。生んだ子供が1人だったという史実だけでこんな話に膨らませたのは見事。家康の子供たちの中には過酷な人生が待っている人が多い。そういった人たちの存在もまた戦国を終わらせることになった一端を担っていたのだと思う。