いろいろございまして感想のアップが遅くなってしまった。既にMー１や年末の賞レース等で爪痕を残した芸人の活躍が多くなってきている。
２０２１年は全体的には面白かったけれど突き抜けたコンビはなかったかな。
ちなみに３連単予想は①オズワルド②敗者復活③錦鯉でした。
出場者の半分がそこまで知らない方々だったので残りの知ってるコンビで予想するしかなく、本音はミルクボーイ並みの個人的ダークホースが見たかった。結果的にファイナルに進んだのは常連組だけだったのは少し寂しい。ただ錦鯉の優勝は感動的だったし異論もない。オズワルドのファイナルの失策は何故起きたのか。これがM-1という場所なのか。
１組目 モグライダー 「いいえ」の意味
入りが美川憲一ディスかと思わせるので少しあせる。着眼点だけなら最も面白かった。言われてみれば何故いいえからはじまるのか。実際に歌詞を読んでみたけれど、さそり座っぽくないあっさりした女だと勘違いした男がしつこいさそり座の女に言い寄られているようなことだった。何度も前奏を歌う必要があるため手数が少なくなってしまう。それを補うほどの爆発力はなかった。
２組目 ランジャタイ ネコ
恵美子があきれるほどはぶっ飛んではいない。猫が体内で活動する様子は凄くイメージしやすく、あれだけの動きを的確に表現する技術はむしろお笑いに対しての真面目さのあらわれだろう。結末を放り投げた感じはポリシーなのかもしれないけれど、最後までダサくても大爆笑を狙ってほしい。ライブでは気づかなかったが、せり上がりで国崎が伊藤の背中をタッチしているところが微笑ましかった。
３組目 ユニバース 男と女
M-１の決勝で本領発揮出来るところも実力のうちだとしたら、本来のゆにばーすのネタと比較すると審査員の得点は妥当だったと思う。川瀬の落胆ぶりは本人的にはいけるかもという手ごたえだったのだろうが、なんとなくネタ選ミスのような気がする。男女ネタや下ネタは中途半端では難しい。
４組目 ハライチ(敗者復活) いつもと違う
岩井が最初にキレるところがピークだった。いつもの何とかなやーつ的ではない新しいハライチだったので期待したけれどまさかの繰り返し。岩井ほどの芸人が何故これで最後までいける思ったのか、全く客観視出来ていない感じが謎だった。残念ながら最も面白くなかったかもしれない。
５組目 真空ジェシカ 二進法
なんか好み。ボケとツッコミどちらのフレーズもセンスあり。１日市長の設定は良かったけれど、おばあちゃんのことや他の１日市長のことなどボケっぱなしで回収はしない。もう少しストーリー性があれば爆発出来そうな気がする。ネタ時間があるので難しいかもしれないけれど、あともう少し頑張ってほしい。
６組目 オズワルド 親友いるならいいじゃん
ビッグピースへの伏線と結末はちょっと作りました感があって残念。しかし他は完璧。コント漫才ではない純粋なしゃべくり。ボケの少し怖いキャラを活かした追求に、緩急のあるツッコミでかわしていく。屁理屈こねてるようで小林をあぶり出すまでの工程も素晴らしかった。
７組目 ロングコートダディ 肉うどん
打って変わって入りだけが漫才のコント。漫才批評をするときに手数と爆発力のことにふれることが多い。この手のスタイルだとまずどうしても手数は少なくなる。そうなると爆発力に賭けるしかない。肉うどんとワゴンＲでは少し足りなかった。単独ライブ等で時間をかけていいならありだけどＭ－１で勝つには難しいと思う。
８組目 錦鯉 おじさんの目力
入り以外は渡辺のツッコミを完全無視しボケっぱなしのマサノリ。こちらは手数は多い。でもボケがスタイリッシュじゃないのに１発１発がそれなりに重い。好きなアルファベットで６。５０過ぎのネタラッシュ。客層や見せ方を考えているように見せていないので１度付いた笑いの火が消えない。
９組目 インディアンス ウマさだけでは勝てない
さらにこちらは手数の鬼。でもたぶっちゃんのボケは軽い。好みの問題かとも思うけれど今回は空砲のマシンガンのようだった。対比して申し訳ないが、錦鯉が全く気にしていないウマさの追求の先にオモシロさはないと思う。正直上沼恵美子には観客目線がない。技術の前にシナリオだと思う。
１０組目 もも
ミルクボーイと同じように繰り返し使えるフォーマットを見つけたなといったところ。亀田顔など偏見の言い合いなので正直笑ってしまうけれど、多様性を認め合おうという昨今の動きに逆行していて見られるのも今だけかもしれない。それはそれで息苦しい世の中だと思うけれど。
ファイナルについては割愛。たまたま見ていた同じ年のＡＢＣお笑いグランプリ。そのときに優勝したオズワルドが今回ファイナルに同じネタを持ってきた。結果論だけどネタ順が逆ならオズワルドが優勝だったと思う。Mー１ファイナルではクオリティは下がっていた。だけど先だしでもファイナルに行けたと思う。どちらが自信のネタだったかは分からない。昨年のマヂカルラブリーからネタ順の運は大きいと感じた。
