Quinoss.com

物語の感想やニュースの意見等々を更新しています

麒麟がくるまでお待ちください 秀吉

学生時代にすべてVHSに録画したのに10年後に見ようとしたらビデオデッキが壊れて見れなくなった。いまだにデッキの中で「秀吉①」とラッピングしたビデオテープが眠っている。

 

時代考証がどうだとか過度な先入観なく見れていたということもあるかもしれないが、自分の中ではエンターテイメント戦国大河として面白さはいまだにナンバー1だと思っている。泥だらけの竹中秀吉に非道な渡信長が話の中心で、その他のキャラクターは2人に翻弄されながらも魅了され彼らを支えているイメージ。中でも序盤の高嶋政伸の小一郎や後半の真田広之の三成が非常に印象深い。この二人がいなければ秀吉という船はすぐに沈没していただろう。エピソード的にも蜂須賀小六との一夜城、竹中半兵衛の調略など序盤から心をつかまれた思い出がある。

 

今回クローズアップされた4作品。「国盗り物語」は残念ながら生まれる前で観ていない。「独眼竜政宗」は小学生のときで記憶が薄い。「利家とまつ」はがっつり観ていて記憶も新しい。と思って先日の名場面スペシャルも観たのだがなんとなく軽いw 唐沢や香川照之の演技が中途半端に観えてしまう。半沢ダイジェストの大和田常務は見事だったけれど。年月が経って2作を比較するとやはり秀吉の方は竹中直人や渡哲也が演出に妥協なく口出ししていたであろうこだわりがにじみ出ている気がする。今年で言えば本木道三のように。一心不乱に出世を望み、光秀への嫉妬むき出しの秀吉や、女子供も切り捨てろという信長は今の時代には描きにくいかもしれない。でも天下を取った武将の悪とする部分も見せることにより強さに説得力が出てくる。戦国時代に他を出し抜けた理由が演技によって伝わってくる。

 

配役としてインパクトがあったのが西村正彦の家康。まだ「振り返れば奴がいる」や「古畑任三郎」での曲者イメージが強かった時期で、ましてやその頃の自分の家康イメージとは真逆の配置にビックリした。近年の家康こそさまざまだが、昔は家康といえばどっしりとして冷静なイメージだった。すべてを覚えているわけではないが、広間の脇で秀吉とにらみ合い対峙していた記憶がある。変化球の家康にワクワクした。

 

見れないVHSはあきらめて、何らかの方法で全編通して「秀吉」もう一度観たい。