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R-1ぐらんぷり 2020 / 野田クリスタル

まさかの結末。自分的には大好きな方なのだけど賞レースには不向きな人だと思っていた野田氏が優勝をカッサらってしまった。似合わねーw

 

ビッグタイトルのお笑い賞レースはほぼ欠かさず見ているし、近年の大会は総じて面白かった。基本的に良かったところをブログにもアップし反芻している。せっかく野田氏が優勝した記念すべき大会でR-1についての初ブログなので批判的なものにはしたくなかったのだが、自分に正直に言うとあまり面白くはなかった。

 

楽しめなかったと言ったらウソになる。昨年のキングオブコントが個人的にすべて90点オーバー並みの面白さと書いたが、同じ書き方をするとすべて70点台の中で野田氏だけが80点といった印象。順位については視聴者、審査員ともに評価に違和感はなかったが、気になったのはDボタンとツイッター評価がほぼ同じだったこと。重複した視聴者が多かったとするとどちらかだけでよかったと思う。

 

特に今年が斬新なネタが多かったとかついていけなかった感は全くなく、むしろ分かりやすいネタがほとんどだったと思う。だからなのか物足りなさが否めない。ぼんやりとしたものではなく割と明確に。以下各者の感想。

 

◇メルヘン須長:沢口靖子は無駄にクオリティが高いのだが笑いに活かされていない。パリピや声優などネットを中心にニッチな濃い目のところをキツめに攻めているが、逆に世間の多数派の共感に媚びた印象で冷める。

◇守谷日和:落語風になるというアイデア以外の笑いが見当たらない。落語なのに落語じゃないんかい的なひねりもない。最も面白さが分からなかった。技術があって噛まないより、下手だけど意味不明の方が自分はまだ見ていられる。

◇SAKURAI:初見だったら面白かったかも。R-1までに既に認知度が上がり過ぎていてインパクトに欠けた。だからこそ勝ち上がってこれたといえるが、そのハンデをなくすくらいの新ネタは見られなかった。

◇野田クリスタル:既存ゲームのパロディと見せかけた全く異なるクオリティの低いゲームを彼が作っているという予備知識はあった。そのゲームが面白いというよりも野田氏のツッコみ次第。面白かったけれど他の年なら優勝はなかったと思う。

◇ルシファー吉岡:3分間とはいえ缶コーヒーを飲む飲まないからの展開が少ない。展開が少ないところが面白いところなのだろうけれど、そこに込められたネタの数もパンチ力も足りなかった気がする。

◇ななまがり森下:ザコシショウやアキラ100%にくらべて足りなかったのは、乳首を隠せないという大枠のハードに対して中のソフトだと思う。もっとぶっ飛んだことで乳首を隠せない小ネタがほしかった。嫌いではないけれど。

◇ほしのディスコ:何気に野田氏の次ぐらいに楽しみだった。でも結局1人パーパーだったのとオチの数が少ない。全体のじんわりくる笑いは良いけれど、プラス落ちらしい落ちをもう2~3個は入れてほしかった。これだけ?て感じになる。

◇すゑひろがりず南條:こちらもソフトが弱かった。言葉がどう変わるのか楽しみで期待してしまうけれど、どうしても面白いというよりもなるほどなぁという感想になる。何か変換の先が欲しかった。

◇ヒューマン中村:ブロックごとならCブロックが一番良かったと思う。トップの中村のコント的な設定も好み。受信料も面白い。いい感じだなと思ったのだが、ただ爆笑箇所もなかった。もう1ひねりが足りない。

◇おいでやす小田:ラ行の巻き舌だけでいくの?という不安をよそにそれ1本。でも思ったよりも面白かった。文枝の怖いという指摘はあると思う。笑いのハードルが上がってしまって万人ウケはしにくいと思う。

◇ワタリ119:なかなか始まらないフリップネタ、始まると小ネタの嵐、途中すっ飛ばし、時間余りのギャグ。面白かったのだがこちらも爆笑箇所はなし。普段のキャラに対して作りこみ過ぎなのが少し気になった。作家付きは全然アリだけどなるべくキャラとの乖離は少ない方が良いと思う。

◇大谷健太:フリップ絵を早口言葉で説明。後半に少し変化したり混ざったりするところは面白かった。一方決勝の2コマ漫画は一個も面白くなかった。キレイにそれじゃない方向のオチばかり。サドル3つで面白いという決断は怖すぎる。シュールなわけでもなくストレートに分かりやすく笑えなかった。私のセンスがおかしい?

 

珍しく全組の感想を、それも上から目線の酷評を記した。ピンというのは客観視出来ない分コンビよりもある意味むずかしいはず。コロナで無観客の影響はそこまでなかったようには思うが、やる側・準備する側は大変だったとは思う。観ている側にはほとんど違和感は感じなかったのだから演出の方々の努力には頭が下がる。雰囲気を一変させる1組の存在があれば大会全体の満足感というか総合評価は変わってくると思うので来年は誰かに突き抜けてもらいたい。

 

それにしても野田氏やマヂカルラブリーがついに日の目を見るのはとてもうれしい。

ある種の天丼的な笑いにこたえるように「恵美ちゃん、ありがとー」とうまく締めくくっていたが、野田氏はもう上沼恵美子からは卒業すべきだろう。過去のR-1優勝者をみるとコンビ系の賞レースに比べてその後安泰という感じがしない。あくまでこれをきっかけに出来るかが勝負であり、これから頑張ってほしい。