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麒麟がくる 第二回 感想

新ミッション:侍大将の首を2つ手に入れろ

 

真田丸と比べて戦闘シーンの迫力がありカメラワークも工夫され、そして緩急をつけた音の表現で飽きさせない。初回の不安を払拭するかのように戦国の醍醐味・恐ろしさを見せつけた第2回にして戦国大河欲がやっと満たされた。それにしても実際の撮影参加人数が多いのか見せ方なのか戦場が広く感じる。大勢同士で行われている雰囲気があり違和感を感じない。この進化は演出陣の素晴らしい仕事だと思う。あっぱれ。

 

戦国ファンを自認してはいるとは言え興味が濃くなるのはどうしても桶狭間~大坂の陣の間であり、信長が台頭し始めるまでの英傑前史についてはざっくりとした知識しかない。戦国大名に転化出来なかった守護大名たちの末路がどういったものであったのかもこれを機会に調べてみるのも面白いかもしれない。

 

今回は本木道三の独壇場ではあったがMVPは土岐頼純役の方だろう。はじめ磯村勇斗かなと思ったけれど矢野聖人という人らしい。調べてみたら2人が似ていることは有名なのか彼の名前で検索すると「磯村勇斗 似てる」とすぐ出る。あの狂気じみた演技は大変良かったので今後オファーが増えると思う。磯村勇斗に負けず頑張ってほしい。

 

道三劇場と侍大将ミッションの中で意表をついてきたシーンが叔父光安との場面。ネタバレになるので詳しくは書かないが一瞬裏切ったのかと思った。当たり前と思われる戦国の世での出世のための殺し合いが非常事態であることを光秀に思い出させるための一場面ということなのか、それとも何かの伏線なのか。こういった演出をドラマに盛り込んでもらえると深みを感じる。初回の野盗や堺への道中に見た人身売買的な風景、京都の戦災孤児や被災者の悲惨な状況などが少しずつ本能寺へと繋がっていくのだろう。

 

初回の展開の速さから少し軽めの印象があった「麒麟がくる」だが今回はしっかり重さも伝わってきた。これから1年間じっくり観ていきたい。そして1年後の明智光秀像がどう変化しているのかとても楽しみだ。