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麒麟がくる 第一回 感想

「おんな城主 直虎」以来2年ぶりの戦国大河。私がブログを始めてからは初。いろいろあって今年の「麒麟がくる」を待ち望んでいた。そんな人たちが多いと思う。個人的にも「真田丸」等々近年の戦国大河は面白かったので感想を吐きたかったのだが、遂にリアルタイム視聴と相成った。

 

さかのぼってみても戦国時代、戦国ドラマをいつなぜ好きになったのかは明確ではない。戦国関連最古の記憶である「独眼竜政宗」のインパクトのせいなのか、次の「武田信玄」も良かったことによるこの時代への面白さへの信頼なのか、学研の戦国漫画による擦り込みのせいなのか、信長の野望のせいなのか、花の慶次のせいなのか。いずれにしても好きなことは自然に覚えられるので、私の日本の歴史における知識の9割は戦国時代である。

 

「戦国大河は面白い」を個人的に決定づけたのは「秀吉」。竹中直人演じる主人公は暑苦しくてもちろん最高だったのだが、真田広之の三成や高嶋政伸の秀長等の脇を固めたキャストの演技力が光った。それ以降のどの戦国作品も観なくなるほど面白くなかったというものはなかった。直近の直虎や真田丸は全体的なクオリティが高かったし、ネットでは酷評されている「江」も姫視点の戦国を上手く表現していたと思う。文句を言うのは簡単だが誰の不満も出ない作品など制作不可能だろうし、特に長丁場の大河になると何かにこだわれば何かを捨てざるを得ない。すべてに力を注げばたぶんありふれた作品になってしまうと思う。序盤は特に広い心で観ていきたい。

 

ということで早速感想・・・ドローン下手すぎw 出鼻をくじきドラマへの集中を削ぐカクカクのカメラの動き。BSでやってた「スローな武士にしてくれ」を活かしきれてねー。何のためにやったんだあのドラマ。やけに色鮮やか過ぎる衣装。それに反して色味のない美濃の城下町。予定調和っぽい殺陣。オープニングも何故か古めかしいフォントのスタッフクレジット。これはもちろん悪い意味でヤバいスタートだ。沢尻降板をいいわけに出来るレベルではないほどチェックが甘い。素人でもあのドローンのカメラワークはカットだぞ。それでもね戦国大河が始まったのがうれしくて既に3回観た。

 

細かいところはオールオッケー。どの地域に行っても一切の方言がないのもご愛嬌。1話で鉄砲を調達して医者連れて帰ってくるなんてサプライズ! 肝心なのはシナリオとキャラクター。まだシナリオについては未知数だが、とりあえず初めの小規模戦闘シーンや少女を助け出して炎から現れる分かりやすいヒーロー演出により、見やすく入りこみやすい大河という点では成功だったと思う。そして何といってもイメージを覆すあるいはイメージ通りに作りこんできた役者陣。感情むき出しの光秀、小奇麗なのにいつも通りの道三、まんまの久秀など演出の残念感を飲み込んだキャスト陣のワクワク感に初回は軍配を上げようと思う。

 

具体的に良かったところ、「おっ」と思ったところは戦闘シーンに急に挟まれるやられ役視点の映像。矢が自分に飛んできたり泥水をかぶったりするシーンはこれまでにない臨場感のある演出に感じた。初めにけなしたドローンも切れ目なしの連続した動きを撮影できるので今後の大河では必須になると思う。飛んで屋根を突き破る光秀。鉄砲への恐怖転じて首ったけの光秀。そしてそこにつけ入る久秀。爆死までフルスロットルで吉田鋼太郎流の松永久秀を演じてほしい。そして歴史上は現れない架空の人物たちとの絡みも流れの予測がしづらくて良い。まだまだ期待できる俳優陣が控えているので第二回以降も楽しみだ。

 

「麒麟がくる」が戦国を終わらせるという意味なら麒麟は家康? 時代考証が小和田教授なので可能性は低いが南光坊天海編はあり得るのだろうか。