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小泉議員による糾弾決議放棄について

私は特定の政党に肩入れしているわけではない。したくないのではなく出来ない。世の中を変えてくれるかなという政党が出てきても、時と立場でぶれた政策に変えたり結局忖度したりで方向性も変わりマニフェストも無視される。よって選挙は政党で票は入れない。あくまで議員個人の気持ちに賭けて票を投じる。

 

今回の丸山穂高議員に対する糾弾決議については私も思うところはあった。国民の選挙で選ばれた議員をその他の議員による投票で進退を決めるという事案。法的効力はないとしてもそこまですることだろうか。酒に弱い議員が押しても引いても動かないロシアに対する本音をつい口走ってしまったというだけ。本気で戦争して取り返そうというよりも、戦争しかないと言わざるをえないくらい進展のないこの状況をどうするのかと言いたかっただけだろう。

 

たしかに酒が入ったから態度が大きくなる部分や女性関係にも脇が甘そうな人格的部分の危うさはあるので、国会議員としては資質は低いと言わざるを得ない。それでも公に発信したわけでもない言動に責任を押し付け引導を渡すことはいき過ぎではないだろうか。誰も何も話せないし、何より踏み込んだ議論が出来ない上辺だけの忖度国会になる危険性を逆にはらんでいる。国民に1度選ばれたのにその後は国民の目を気にして無難で票を減らさない政策や言動しかしなくなる国会議員だらけになっている現状。好き勝手言えるのは大きな組織票のある議員だけという状況は健全とはいえない。国民に選ばれたからこそ自分の信念を貫いてほしい。

 

小泉議員の行動はパフォーマンスだとか、反対なら反対票を入れろなどという意見が多く見られる。しかしここで反対票をいれたら国会議員としての資格なしとする糾弾決議案への反対ではなく、丸山議員を罷免することに反対となってしまう。小泉議員の立場としては出処進退はあくまで自分で決めさせること、国会議員の多数決はおかしいという意見だ。セクハラや差別発言、ヘイトスピーチをしたわけでもない人物を右にならえで忖度して潰すほうが危険ではないか。ロシアにこれは日本の総意ではないというアピールをしたいことも分からないではないが、本来なら結局いつまでも進展しない北方領土問題に対して踏み込んだ議論をするきっかけにすべきではないだろうか。

 

馬鹿な議員が暴言を吐いてしまうくらいに停滞してしまっている問題を、日本はこれからどうするのか。1議員を追いこんで辞めさせて解決したと安心して本筋の解決すべき事柄を忘れていないか。実効支配が続く北方領土はこのままいけばいつかロシアの領土になってしまうだろう。それでも上辺だけの四島返還を叫んでいるだけなのか、200海里を考慮して一部返還にハードルを下げてでも結果を求めていくのか、時の解決が微笑むのはロシア側だけである。日本は行動しなければマイナスしかない。

 

今回の小泉議員の行動は何か大きな政策をやり遂げたとかではないが久しぶりに光が見えた気分だった。原発問題も年金問題も少子高齢問題も引きこもり問題も、目の前の票や自分の保身のために踏み込んだ議論を避けた国会議員たちが、将来なんて知らんとばかりに年配者の票と顔色をうかがい時限爆弾を無視し続けている。ついには年金は補助で自分の身は他で守れと言い出した。もちろん選挙にいかない若者たちが悪い部分もあるが、今何をしなければ将来どうなるのか真剣に考えて実行してくれる議員がいなさすぎる。目の前のマスコミ受けや次の選挙に受けがいい政策だけに必死で、日本の将来などは所詮自分の人生の二の次といった行動をとる議員ばかり。そんな人は違う仕事をしてほしい。志が残っている国会議員にはむしろ大ナタを振るような施策を掲げ、若者の気持ちを奮い立たせてほしい。