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宇宙まお / 愛だなんて呼ぶからだ

まだ昨年中のある日、帰宅中に聞いていたラジオ。もう自宅についたので車のエンジンを切ろうとしたときに「涙色ランジェリー」という歌が流れてきた。そのときはタイトルも歌っている人も分からなかったが、矢井田瞳がコラボしていて懐かしかった。すごくキャッチーで聞きやすく、歌詞も失恋ソングなのにジメっとしていない明るい曲。そしてなによりメインボーカルの声に惹かれた。

 

そのあと彼女のことを調べてみた。「宇宙まお」既にデビュー8年目。イベントのテーマ曲やスポーツチームの応援ソングをつくり、数々のライブフェスに出演しながら地道に活動されている。このご時世、過去の楽曲は良くも悪くも簡単に聴くことが出来る。ざっと動画で主な曲を聴いてみた。なんという幅の広さ。曲もさることながら動画で見る彼女のスタイルが七変化。飽きっぽいのか事務所の模索かは分からないが、こんなに変わる歌手をはじめて見た。金髪ショートで力強く歌う彼女や黒髪で女性らしくしっとり歌う彼女は、知らない人が見たら同一人物とは思わないだろう。

 

決して真新しいわけではない。昨年の紅白歌手でいえば「あいみょん」や「DAOKO」のように若者が惹かれるような捻りの効いた歌詞や曲調ではない。「aiko」や「西野かな」のように統一感のある安定した曲を量産しているわけではない。「MISIA」や「Superfly」のように歌唱力で圧倒するわけでもない。ただ彼女のカッコつけ過ぎていないのに心に響く歌詞と、流行りに媚びていないスタイルと、そしてハスキーで存在感のある声との総合力は、上に挙げた歌手たちよりも高いと感じる。単純に自分の好みにハマっただけなのだろうか。

 

デビュー時の彼女やそれからの7年間を私は知らないが、初めがもったいないように感じた。七変化出来る彼女なのに初動イメージの選択ミス。名前も特殊で万人受けはしにくかっただろう。ただし今回耳にすることが出来た「愛だなんて呼ぶからだ」は、デビューからの経験値によって作り出せたとすれば回り道ではなかったともいえる。新たなプロデューサーが潜在能力を引き出したのか。今後の彼女の活躍に期待したい。

 

ラジオ番組で彼女の曲が流れるタイミングがあと1分遅かったら、彼女を知ることはなかったと思うとその偶然に感謝したい。

 

愛だなんて呼ぶからだ

夢だなんて呼ぶからだ

奪い合って 満たし合って それだけでいいのに

言葉なんていらない

 

愛だなんて呼ぶからだ / 宇宙まお

 

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