THE BOOM 宮沢和史の歌だったか発言だったかうろ覚えだが「歌を歌う理由は自分が納得できる歌がこの世にないから。逆にそんな歌があればいつでもやめられる。」的なことを言っていた覚えがある。自分の記憶がねじ曲がっていなければ。中学生ながらに、何かプロ意識のようなものを表す大人な考え方として印象に残っていた。喫茶おもかげでのユーコの話でそれを思い出した。
何かを成し遂げたいという思いの始まりは、好きな事や得意な事あるいは納得できない事などきっかけは様々。その中でも強い意志を持って行動できるのは「納得できない」だと思う。喜怒哀楽でいえば「怒」。単純に好きだからではてっぺんを目指さない。途中でも楽しいし満足する。自分が１番ではない、この世にこの病を治せる薬がない、面白くない映画が流行っている、気楽に大金稼いでいるヤツがいる、悪党がのさばっている。納得できない。納得したい。
ユーコと鈴愛は秋風羽織の保護の下で、それぞれ納得するまで走り切った。後悔はないと言うユーコと同意する鈴愛の会話に全力を出し切れた雰囲気が出ていた。自分は秋風羽織やボクテとは違うと気付けるまでやり切れたから、２人は納得という幸せを手にすることが出来たんだと思う。元住吉祥平の裏切りによって納得への梯子を途中で外されてしまった涼ちゃんは挽回できるのか心配である。
お前じゃ駄目だと言われるとしても手を伸ばしてもがく、それが人生だ
小宮ユーコ
